清流無間断-清流間断無し 文字から伝わるイメージとその奥にある意味
夏になると、茶席に飾られている掛け軸の墨蹟の一つが「清流無間断」(せいりゅうにかんだんなし)です。
「清らかな流れが、絶え間なく流れている」といった文字と、筆や書体から想像される
涼やかな川の流れの景色が夏の季節にあっているからだと思います。
暑い日々の中で、茶席という決して広くはない空間に入った途端、別世界が広がります。
清流無間断の意味
これは禅語の言葉です。禅語とは禅宗の教えを説いたものです。
茶道は禅と深い関りがあり、床の間に禅僧の墨蹟をかけることが多いです。
禅語は短いメッセージに集約されているため、表面上の意味やイメージでとらえることも
できますが、その奥に込められた意味については奥深いところがあります。
「清流無間断」はどのような意味になるのでしょうか。
清流:清らかな流れ
間断:絶え間、切れ目
清らかな流れは絶え間なく流れるという意味になりますが、別の見方をすると、水は溜まってしまうと澱んでしまう。
つまり水が溜まり、澱むことのないよう絶え間なく、流れるようにし続けることが必要ということになります。
常に流れるように澱まないようにし続けるということは日々の努力や修行ということになるでしょうか。
日々の生活でも「清流無間断」のようにありたいものですが、相当の努力が必要だと感じます。
簡単、簡潔に纏められた言葉は、一見するとわかりやすく、表面的に捉えがちですが、その奥にある意味や真意を理解することは、それぞれ積み重ねた経験や学んだことなどにより様々であり、真意や意図を理解するということはとても難しいことだと感じます。