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PCクローニング、キッティングで必要とされるWindowsOSライセンスは展開するパソコンの台数分購入する必要はありません。WindowsOSライセンスと再イメージング権について
パソコンのクローニング展開、一斉展開において、展開するパソコンの台数分、WindowsOSライセンスを購入しなければならないのではないか。という質問を度々受けます。
マスター、マスターPCを使ってクローニング展開する際によく出てくる「再イメージング」と「ライセンス」という言葉がごちゃ混ぜになってしまうことがあります。
再イメージングとは
マイクロソフト コマーシャルライセンスメディアを使用したライセンス取得済みのマイクロソフトウエア製品の再イメージングに以下のように記載されています。
再イメージングとは、整合性のとれた1つの基本イメージから複数のデバイスにソフトウエアをコピーすることです。再イメージングの権利は、Enterprise Agreement、マイクロソフト製品/サービス契約(MPSA)、Open License、Open Value Agreement、Campus and School Agreement、Select Plus を通じてライセンスをご購入されたマイクロソフト コマーシャル ライセンスのお客様に提供されます。この権利に基づいて、お客様はコマーシャル ライセンス契約で提供されるメディアを使用して、OEM (Original Equipment Manufacturer) 製品またはパッケージ製品 (FPP) のライセンス取得済みデバイスを再イメージングすることができます。ただし、コマーシャル ライセンス メディアを使用して、OEM 製品またはパッケージ製品で以前にインストールしたソフトウェアを再イメージングするには、特定の条件を満たしている必要があります。
マイクロソフト コマーシャルライセンスメディアを使用したライセンス取得済みのマイクロソフトウエア製品の再イメージング
展開元、展開先のパソコンはプレインストール版(OEMライセンス)
購入・レンタルしたパソコンは、通常プレインストール版(OEMライセンス付き)でありWindows10またはWindows11がインストール済みであり、そのパソコン、デバイスに紐づくOSのライセンスが付属されています。つまりライセンスは取得済みの状態です。
OSレスのパソコンの場合は、OSライセンスを台数分購入する必要がありますが、基本的にはWindowsOSがインストールされたプレインストール版(OEMライセンス)のパソコンを購入・レンタルすることがほとんどです。
再イメージング
OSがインストール済みのパソコン(プレインストール版、OEMライセンスのPC)をマスターにして、クローニング・複製・コピーすることはライセンス違反となります。
何故なら、マスターとなるパソコンのライセンスは「そのパソコン」に紐づいているライセンスだからです。「そのパソコン」に紐づいているライセンスを複製することは禁止されています。
再イメージングは・・・・
- プレインストール版(OEMライセンス)でOSがインストール済みのパソコンに対して、WindowsOSボリュームライセンスを使って、素のOSからインストールしなおして、初期設定などを行うこと
- これを展開元をマスター(展開元)として、展開先のパソコンにクローニング展開・複製・コピーすること
展開元パソコン
マスターとなる展開元のパソコンは、WindowsOSボリュームライセンスを使って、最初からインストールしなおした状態のパソコンのこと。
展開先パソコン
展開元のパソコンから一斉展開、コピーされる側のパソコン。
再イメージング権とは
WindowsOSボリュームライセンスを使って、素のOSからインストールしたパソコンを大量展開、一斉展開、コピーするための権利として再イメージング権が必要になります。
- 個別のパソコンにプレインストールされているOSを展開元として一斉展開することはライセンス違反になる
- マスターPCをWindowsOSボリュームライセンスを使って、パソコンを作り直す(マスターPCをつくる)必要がある
- そのためにボリュームライセンスが必要、それは1つあれば良い
一斉展開、コピーされる側、展開先のパソコンは、それぞれパソコンに紐づくライセンス自体は購入時・レンタルPCに取得済み(OEMライセンスのこと)である前提ですので、WindowsOSボリュームライセンスは展開台数分は必要はありません。
WindowsOSボリュームライセンスのライセンスキー1つとOSイメージがあればマスターは作成することが可能となります。
マスターPCを作成するメリット(再イメージングのメリット)
- 素のOSからインストールしなおして、必要なソフトや設定だけをすることができるので、不要なソフトや設定が無くなる。
- パソコン自体がとてもシンプルな状態となるため、スマートな状態で一斉展開ができる。
- マスターから展開することで、OSの状態が統一されて管理もスマートになる。
再イメージングの注意点
展開元と展開先が同一製品(同一言語)、同一エディションのライセンスであること
製品が異なる場合
展開先となる各パソコンの製品が異なると再イメージングできない。
例えば、Windows10ProとWindows10Homeが混在する場合。異なるエディション製品は利用ができない。
コンポーネントが異なる場合
パソコンにプレインストール済みのパッケージ製品で取得したOfficeStandardとライセンスで購入したOfficeProfessionalは同一の製品ではありません。
またコンポーネントも同じではありませんので、再イメージングすることはできない。
<参考URL>
Micorosoft 製品ライセンス簡易ガイド
Micorosoft再イメージング権について
まとめ
展開元のマスターPCは、WindowsOSボリュームライセンスを使って作成したパソコンを元に、展開先のパソコンに一斉展開をすることができます。
そのためにはWindowsOSボリュームライセンスを企業で1つ購入することが必要ですが、一斉展開するパソコンの台数分購入する必要はありません。また、その1つは既に利用していたとしても問題ありません。企業で1つあれば良いので、未使用である必要はありません。
展開先のパソコンはそれぞれプレインストール済みまたはパッケージ製品のOSライセンスが取得済みであることが前提となるからです。
ただし、展開元と展開先は同じ環境である必要があります。
これとは別でクローニング用のソフトウエアによっては、展開先のパソコン台数分ライセンス費が発生するものもありますので注意が必要です。
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