先日パソコン5台の設定、納品作業がありました。
事前に社内でPCキッティングと個別設定作業を行い、現地で設置・データ移行作業を行いました。PC5台のキッティング、みなさんはどのように行いますでしょうか。
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1台ずつ手動作業でキッティングを行う
PC1台ずつ、または作業スペースがあれば、PCを数台並べて、電源ボタンを入れて、ポチ、ポチっと手作業で初期設定とWindowsアップデート作業を行うという方法が一般的でしょうか。
他の作業の傍らで「ながら作業」となります。チェックシートを片手に、どこまでやったか、何を設定するのかを確認しながらの作業です。
「ながら作業」となるので、再起動待ちの状態になっていたり、作業途中になったり、トータルで考えると作業時間がかかっている可能性があります。
また、手作業になりますので、チェックシートでチェックしながらとはいえ、漏れやミスがでる可能性もあります。
1台ずつ手作業ってとても面倒ですね。ですが、マスターPCを作成して、Sysprep作業をして、それから展開する。という手間と工数を考えると、手作業を選択するケースが多いかもしれません。
私たちは、例え数台であっても手作業でするということは、まずありません。チェックシートからも、手作業からも解放された今は、そこに戻るという選択肢がないからです。では、どのようにしているかといいますと。。。
プロビジョニングと個別設定自動化
今回私たちが行った方法は、マスターPCを作成しない、プロビジョニングでのキッティング方法です。
1台1台の展開にはなりますが、プロビジョニングパッケージを使うことで、OSセットアップの自動化を行うことができます。
プロビジョニングについて記事はこちらを参照してください。
マスターPCを使わないキッティング プロビジョニング
プロビジョニングを使ってOSのセットアップの自動化できても、その後の個別設定は結構な負担となります。手作業でポチ、ポチっとの作業はなるべく避けたいと考えております。
そのため、個別設定作業も限りなく手動での作業はしないような仕組みを使っております。
例えば、設置場所によってプリンター設定や無線設定などが異なるケースは多いと思います。
これらについてはPCごとに設定する情報と必要なインストーラーを組み合わせて自動展開する仕組みを使っています。
これらのツールや仕組みを組み合わせることで、手動作業をせずにPCキッティングを完了することができます。
今回の作業についても1日でOSセットアップと個別設定作業を完了することができました。
後は、現地納品作業を残すのみとなります。
現地入替作業
PCの設置、データ移行作業、動作確認が現地作業となります。今回一番手間取ったのが、データ移行作業でした。WindowsLiveメールを利用していたため、Outlookに変換する必要がありました。今回は2つの方法で行いました。
<WindowsLiveメールからOutlookに変換する方法>
既存PC側で変換作業を行います。
- Outlookにメール設定を行う
- アドレス帳の移行
- メールデータの移行
- 完成したpstファイルを新規PCに移行
1.Outlookにメール設定を行う
エクスポート先の準備となります。Outlookのメール情報を設定してください。
2.アドレス帳の移行
- WindowsLiveメール→アドレス帳→エクスポート→カンマ区切り(csv)→保存先ファイル名を指定→エクスポートするフィールド選択(名と姓にチェック、名前のチェックを外す)→完了
- エクスポートされたCSVデータについて文字コードを確認します。
ファイルを右クリック→プログラムから開く→メモ帳→ファイル→名前をつけて保存→【文字コード】を【ANSI】に変更後、上書き保存
- Outlookを起動→ファイル→開く/エクスポート→インポート/エクスポート→
【他のプログラムまたはファイルからのインポート】を選択→次へ→
【テキストファイル(カンマ区切り)】を選択→次へ→エクスポートしたCSVのファイル保存場所を選択、重複してもインポートするを選択→次へ→インポート先ののフォルダーの一覧から【連絡先】を指定→次へ→完了をクリックでインポート開始 - 連絡先データが移行されていることを確認
3.メールデータの移行
- Outlookを起動し最小化しておく→WindowsLiveメールを起動→左上▼をクリック→
電子メールのエクスポート→電子メールメッセージ→【MicrosoftExchange】を選択→次へ→確認メッセージが表示→OKをクリック→フォルダー選択は【すべてのフォルダー】を選択してOKをクリック - エクスポート終了後、【完了】をクリックして画面終了
- Outlookを最大化して移行を確認
4.完成したpstファイルを新規PCに移行
Outlookの保存場所に完成したpstファイルを、新規PCに移行することで移行が完了となります。
ただし、3.メールデータ移行の作業中にエラーが発生し完了できないケースがあります。
この場合は、以下のようなツールを使って作業を行います。
<WindowsLiveメール等メールソフトを変換するツール>
今回はMailStoreHomeを利用しました。
MailStoreHomeの特徴は、様々なメールソフトのバックアップや検索が可能なソフトですが、バックアップしたメールを各種メールソフトにエクスポートする機能がついています。
フリーソフトになりますので、利用に際してのご判断はそれぞれの責任で行ってください。
<参考URL>
MailStoreHome
まとめ
数台のPCキッティングは、マスター作成しない分、手作業での地道な作業といったイメージですが、ツールを組み合わせることで効率的にキッティングすることが可能となります。
仕組みを使うことで、作業工数削減と手作業によるミスや漏れ無しに繋がっています。
一番手間がかかるのは客先での設置、データ移行となります。
いずれこれらの作業もクラウド化が当たり前の時代になると思いますが、まだ暫くは、現地での
手間のかかる作業も残るでしょう。これらについても効率化できる仕組みがあればいいですね。
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