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2022年4月1日施行。道交法改正でアルコール検知器を使ったチェックは10月から義務化。社有車・白ナンバー営業車も対象となる改正ポイントと3大義務
通称、道交法。道路交通法は1960年に制定された、道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を計り、および道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とした日本の法律になります。
(出典:道路交通法、ウィキペディア)
今回の法改正の背景は2021年6月28日に千葉県八街市で発生した交通死亡事故を受け、8月4日に決定された「通学路などにおける交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」において「自動車を一定数以上保有する使用者に義務付けられている安全運転管理者等の未選任事業所の一掃を図るとともに、乗車前後におけるアルコール検知器を活用した酒気帯びの有無の確認の促進など安全運転管理者業務の内容の拡充を図る」ことからになります。
飲酒運転の根絶するための改正となります。
(出典:道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令などの施行に伴う安全運転管理者の業務の拡充について【通達】)
2022年4月1日施行、10月1日施行の道路交通法の改正ポイントについてまとめてみました。
社有車が少ない、白ナンバーの営業車だから関係ないと思いがちですが、実は対象となる企業様も多いと思いますので、ご参考にしてください。
道路交通法:2022年4月1日施行の改正ポイント
- 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無を目視等で確認
- 上記確認内容について1年間の記録保存
チェックすることと記録として残すことが義務化されます。
データとして保存でも、日誌などでも良いようです。
そして、4月の段階ではアルコール検知器はまだ義務化されていません。
運転前後とは
必ずしも個々の運転の直前または直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、及び終了後や退勤時に行うことで足りる。
目視等で確認とは
運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などで確認することをいう。
直行直帰の場合はなど対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどしたうえで、カメラ、モニターなどで確認、携帯電話、業務無線等で直接対話できる方法で確認など、対面による確認と同視できるような方法が含まれる
道路交通法:2022年10月1日施行の改正ポイント
- 国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて、運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無を確認
- アルコール検知器を常時有効に保持すること
10月からはアルコール検知器を用いて確認することが義務化されます。
アルコール検知器の常時有効に保持とは
正常に作動し、故障がない状態で保持しておくこと。定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならない
国家公安委員会が定めるアルコール検知器とは
呼気中のアルコールを検知する
有無またはその濃度を警告音、警告灯、数値等により占める機能を有するもの
記録内容について
- 確認者名
- 運転者
- 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
- 確認の日時
- 確認の方法
アルコール検知器の使用の有無(10月1日以降)
対面でない場合は具体的な方法 - 酒気帯びの有無
- 指示事項
- その他必要な事項
詳細は以下の通達でご確認ください
<参考URL>
道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令などの施行に伴う安全運転管理者の業務の拡充について【通達】
警視庁 安全運転監視者の業務の拡充
2022年10月道交法、改正における3大義務とは
- 検知の義務化
アルコール検知器を使用して、運転の前後に酒気帯びの有無を確認 - データ保管の義務化
記録を1「年間保存すること - 保守の義務
正常に機能するアルコール検知器を常備すること
以上の3点がポイントとなります。
法改正の対象について
安全運転管理者の業務の拡充となっています。
つまり安全運転管理者を選任している事業所となります。
安全運転管理者(道路交通法施行規則第9条の8)
乗車定員が11人以上の自動車にあっては1台、その他の自動車にあっては5台以上を使用している事業所(自動車使用の本拠)ごとに1名を選任する。
自動二輪車(原動機付自転車を除く)は1台を0.5台として計算。
業務で使用する車両を台数として計算。
運送業ではないから関係ない。緑ナンバー(営業ナンバー)を所有する事業用自動車ではなないから関係ない。ということにはなりません。
白ナンバー(自家用自動車)を5台以上使用する事業所は安全運転管理者の選任が必要となります。そのため、今回のアルコール検知器チェックの法改正は白ナンバーの営業車も安全運転管理者が専任されている企業であれば対象の範囲となります。
また上記の条件に該当する場合は「安全運転管理者」を選任する必要があります。
安全運転管理者等の専任について
資格要件
- 20歳以上(使用自動車が20台以上の事業所では30歳以上)
- 運転管理経験が2年以上
- 過去2年以内に一定の違反行為をしていない(一定の違反行為については欠格事由を参照)
<参考URL>警視庁 安全運転管理者等法定講習
- 必要な届け出書類を提出
- 公安委員会が行う法定講習の受講義務
- 安全運転管理者には、運転者への安全運転教育と内閣府で定める安全運転管理業務と酒気帯び運転などの違反を下命または容認しないことが責務となります。
安全運転管理業務
- 運転者の状況把握
- 安全運転確保のための運行計画の作成
- 長距離、夜間運転時の交替要員の配置
- 異常気象時等の安全確保の措置
- 点呼等による安全運転の指示
- 運転日誌の備付けと記録管理
- 運転者に対する安全運転指導
- 酒気帯びの有無の確認及び記録の保存(1年保存)【令和4年4月1日施行】
- アルコール検知器の使用【令和4年10月1日施行】
アルコール検知器、どれがいいの?
アルコール検知器は事務所設置タイプと持ち運び可能タイプ、記録方法など様々あります。
メーカー/型番 | 仕様 |
東海電子株式会社ALC-PROⅡ | 設置タイプ 測定・管理・記録の一環システム PCに管理ソフトをインストールすることでデータ記録が可能 ハンディユニットを専用スタンドに立てかけたまま、高精度アルコール測定が可能 個人で専用マウスピースを持つ。水洗い可能マウスピースは半永久的に使用できる 校正時期:設置から6ヶ月経過、もしくは測定回数6万回(有償)どちらか早く満たした時点 本体価格:336,600円(税込) |
東海電子株式会社ALC-miniⅣ IC | 設置タイプ 社員カード対応、プリンター一体型測定器 個人で専用マウスピースを持つ 測定結果は内蔵プリンタで印刷 非接触ICカードリーダ内蔵で、かざして、測定を実現。 プリンタ出力とUSBメモリの記録保存 上限50名まで 本体価格:140,800円(税込) |
株式会社東洋マーク製作所 AC-015 |
設置タイプ Bluetooth接続でスマホ・プリンターに対応 パソコン管理対応タイプとスマホ接続タイプの2タイプ スマホ接続タイプはBluetoothで接続し、遠隔地からの計測結果を送信、本体に500件まで保存可能 専用一括管理ソフトで複数個所からの計測結果も一括管理可能 パソコン管理対応タイプは事務所設置型として使用可能 本体価格:66,000円(税込) |
東海電子株式会社 ALC-mobileⅡ |
持ち運び可能タイプ スマホ(Androidのみ)からメールを使用して専用ソフトでPCでデータ記録可能 本体価格:85,800円(税込) |
株式会社東洋マーク製作所 AC-018 |
手のひらサイズ Bluetooth搭載で専用スマホアプリから計測記録を送信可能 iOSはiCloudmail、AndroidはGmailで接続可能 本体価格:38,500円(税込) |
センサーは保証期間や回数期限があり、別途費用が発生する必要があります。
<参考URL>アルコール検知器協議会
まとめ
飲酒運転の根絶のための法改正となりますが、運送事業者だけではなく、白ナンバーの営業車を所有している企業様で対象となる企業様も多いのではないでしょうか。
10月からのアルコール検知器を使った記録保管までに、アルコール検知器の選定や運用ルールなど企業の形態にあわせて選定する必要があります。
特に私の住んでいる山梨では、生活する上で車は欠かせません。地方あるあるになりますが、コンビニ行くのも車。というくらい車依存度が高いです。法改正に限らず、時間と心にゆとりをもって安全第一で運転したいと改めて思いました。